古いマツオカギターの力木が剥がれた。
ボディ内部の手の届かない部分なので、自力修理できない。
表面板を見ると、ブリッジの下側が膨らんでいる。
弦の張力に負けたようだ。
そこで、ダメもとでViolin Tieを付ける。http://www.nitsugamangore.com/bellucci-blackwood-guitar-g-march-5-08.html
手近の端材(ファルカタ)でL字型を作り(位置合わせと補強で微調整加工)、鬼目ナットをギターボディに封入。ネジ止め。
予想外に弦が短いので、ブリッジ近くまで伸ばさないといけなかった。
今までのように巻き付けて止めると弦の長さが足りなくなるので、とりあえずナットに結びつける。
1弦はナットで切れそうなので、木の棒で留める。
調弦すると、張力に負けて一部壊れる。弦を通す穴は斜めに開けるべきだった。
ひとまず、二音下げの調弦で弾いてみる。
全てのポジションがまるで開放弦のように、のびのびと鳴る。
材がファルカタの為か、音は甘くなる。
1弦の留め棒が木製の為か、他の弦より音が曇る。
ブリッジと同じ硬い材でViolin Tieを作り、牛骨で弦を留めるようにすると音色は明るくなるだろう。とはいえ、古楽器みたいな響きで今のままも良い。
表面版が弦の張力から開放されると、こんなにも能力を発揮するとはビックリ。
今までの音は、わざわざノドを締めて歌っていたような感じ。
ぶっ壊れたはずのギターが、高級手工ギターに生まれ変わったようだ。
ふざけてやっても、これほども効果があるのに、ギターメーカーはどうしてViolin Tieを一般化しないのだろう?